年齢に応じた Cure キュア と Care ケア を考えよう
未来のために“今”から!
身体的な特徴や社会環境など、さまざまな要因で、“今”のムシバや歯周病になりやすいリスクに違いがあります。
しかしそれだけでなく、10年後、20年後、30年後・・・“今”をないがしろにしてしまうと、そのツケが後になるほど、もっと大きくなって出現します。
「若い頃から歯を大切にしておけば…」という患者さんの声をどれほど多く聞いたことでしょうか。
年代別リスクや、キュア&ケアを考えたうえで、未来のために“今”からを、良くしていきましょう。
小児(15歳以下)
成長に伴い、乳歯から永久歯へと歯がはえかわる時期。
想像力が発達する前から、歯科の通院に慣れておくと、青年期・思春期・成人期の状態悪化が少なくなります。
近年、歯の数が不足している子供が増えています。バランスの良い食事を良く噛むこと、日差しの下でいっぱい遊ぶこと、ぐっすり眠ること・・・そんなことも歯の成長に大切です。
子供の歯磨きは大人とは違います。子供用歯磨きの習慣を練習しましょう。
成長のバランスを崩す好ましくない習慣をやめるようにしていきましょう。
6歳までに徹底的にムシバ治療すれば、永久歯ムシバになりにくくなります。
高校・大学世代
24歳くらいまでは、顔の成長や親知らずがはえることもあるため、噛み合わせが狂いやすかったり、思春期の影響で、歯周病になりやすい時期でもあります。
回復力が高く、多少の病気は問題にならないことも多いのですが、この頃の感覚のまま40代以降まで進んでしまうために、50〜60代歯周病が悪化している現状もあります。年に1回はクリニックケアの習慣を。
末永く先まで歯を残していくには、この世代で大きい治療にはしたくない時期です。できるだけ小さく、できるだけ早く、できればより良い素材で治療したり噛み合わせの微調整やクリニックケアでバランスを維持します。
働き盛り世代の男性
ポジションに応じた責任からくる過労や生活習慣病などによって口内環境も悪化しやすく、また自身の健康は、ないがしろにされやすい時期でもあります。
痛みなどの緊急時来院が多く、細菌が残っていたり、歯に穴が開いたままでも、痛みがなくなれば来院されなくなるケースも多い時期です。入れ歯にさせない最終段階であるため、来院頻度で明暗がはっきり分かれます。
応急処置にも種類があります。最後まできっちり治療するための第1段階としての応急処置と、更に悪化するまでは放置するとわかっている時の今できることを詰め込んだ応急処置です。
多くが細菌感染によって起こり、痛みがない状態で悪化し、全身症状と深く結び付くのですから、最後まで治療をしたいのですが、放置することが事前に分かっているのであれば、前者より後者の処置を選びます。
働き盛りの女性〜主婦世代
日常は大変忙しくされている方が多く、また女性特有の病気やホルモン変化が起きやすいので、口内環境も変動しやすい時期。肉体疲労により、くいしばりや歯ぎしりなどのダメージも増える。
審美性を配慮した治療をご希望されることが多く、健康に対する意識も高いことから、適切なクリニック・コントロールで口内環境を維持・回復させやすい方も多くいらっしゃいます。
体調変化に応じたクリニックケアと、舌診などを駆使して、トータル的に口内環境をサポートすることを優先します。すり減った歯を全体的に高く回復してあげる必要も出てくる時期なため、カラダの変調も確認します。
御高齢の世代
様々な持病や、処方薬の複数飲用など体内環境も複雑。筋力の低下によって、くいしばることも増え、歯のダメージも増加。天候によっては来院困難になることもある時期。
75歳の85%が入れ歯というデータもあるくらい歯を失ってしまっていることが多いですが、入れ歯にも歯石が付き、クリニックケアは必要です。保険素材で作った入れ歯の耐久性は2年ほど。すり減り具合の確認も必須。
顎関節の骨に変形がなければ、立ち上がる力にも、カラダのバランスにも、栄養吸収にも、唾液分泌量にも、効果の高い入れ歯はできます。口内環境の維持も歯がない分だけ、より繊細なクリニックケアが大切です。
ちょっとおまけ
妊娠7週目頃からは、胎児の乳歯(の前歯)が作られ始めます。
お母さんの健康が、産まれる前の赤ちゃんに影響しているのです。
子供のためにもお母さんは健康でいましょうね。
妊婦さん
勘違いしてませんか?
妊娠中は赤ちゃんが栄養をとるからといっても、
【お母さんの歯が弱くなるということは、ありません】
妊娠中のムシバの原因は・・・。
・ホルモンバランスが崩れることで唾液が酸性になり、むし歯を中和する働きが弱くなる。
・酸っぱい食品を好むようになり、お口の中が酸性に傾く。
・つわりなどで一度に食べらず、小分けして食事をとるため、お口の中が汚れている時間が長い。
・歯ブラシを口に入れると、つわりで気持ち悪く、きちんと磨くことができない。
また妊娠中の歯周病対策もとても大切です。
特に妊婦の場合、中・重度の歯周病にかかっている妊婦は早産(体重2500グラム以下の低体重児出産)となる危険性が健全な人と比べ、7.5倍も高い!というデータが出ています。
炎症によってできる物質に子宮を収縮させる働きがあり、早産につながるといわれています。
妊娠中の安定期などに、クリニックケアを受診されることもお勧めしています。
また妊娠中は生まれてくるお子さんのためにも、ご自身のためにもしっかりと自宅での予防もがんばりましょう!